給料に占める家賃の額はどれぐらい? コロナ禍で変化した「若者のお金の使い道」
コロナ禍で「家の中で快適に過ごす」ための巣ごもり需要が増加しており、「家」へのニーズが急激に変化をしています。
今回は「家」に焦点を当て、近年の住宅事情の変化を解説していきます。
20代男女はどんな家に住んでいる?
株式会社リクルート(SUUMO)が、関東地方の20代独身社会人男女を対象に2021年2月に実施した「お住まいに関するアンケート調査」によると、現在住んでいる部屋の家賃は
「6万円台」が最も多く21.4%でした。
以下、
「7万円台」18.9%
「8万円台」16.0%
「5万円台」15.0%
でした。
2017年の調査では
6万円台24.3%
5万円台23.2%
7万円台18.1%
8万円台7.9%
だったので2017年の調査と比べると、5万円台が大きく減り、8万円台がほぼ倍増しています。
ちなみに、回答者の年収は、2021年調査では
「300万円~400万円未満」32.0%
「200万円~300万円未満」28.6%
「400万円から500万円未満」22.3%
2017年調査では
「300万~400万円未満」31.6%
「200万円~300万円未満」28.2%
「400万円~500万円未満」20.3%
でしたので、ほとんど差はないと言えます。
コロナ禍での支出の変化
生活する上では、家賃以外に、水道光熱費、食費、通信費、被服費、美容費、レジャー・交際費など様々なお金がかかります。
結婚や出産育児、老後などを考えた貯蓄もしなければなりません。
それらを考えると、賃貸住宅に住む場合は「家賃は給料の25%程度が理想」と言われてきました。
しかし、この調査結果からは、生活費全体に占める家賃の割合が高くなっている、すなわち「広さや設備など、住宅に質を求める考え方が若い世代の間で強くなっている」と言えそうです。
その理由として考えられるのは、「家賃以外の支出減」です。
原因は新型コロナウイルスの流行です。
コロナウイルスの流行により旅行や外食の機会が激減し、レジャー・交際費が大きく減少しました。
また、テレワークやマスク生活で、衣服や化粧品の購入費が減りました。
その分、自宅で消費する食材費や自宅の水道光熱費は増えたかもしれませんが、全体としては、生活費は減る傾向にあります。
コロナ禍でのお金の使い道
コロナウイルスの影響で浮いたお金は、貯蓄や投資、ローンの返済、または資格取得などの自己投資などに回ることもありますが、前述したように家賃などの居住費に回っています。
これは、コロナウイルスの流行により「家の中で過ごす時間が増えた」ことが大きな理由と思われます。
20代独身なら、住む部屋は1Rや1Kあたりが普通でしょう。
以前はそれで全く問題ありませんでした。
しかしテレワークにより、自宅に「働く場」としての機能が求められるようになると、1Rや1Kでは「仕事のスペースが無い」「公私の切り替えが難しい」などの不都合が生じ、「広い部屋に住みたい」というニーズが顕著になりました。
コロナウイルスが広がり始めた直後、小麦粉とバターが品薄になりました。
自宅でできる趣味・娯楽としてお菓子作りを始めた人が増えたのが理由です。
また、自炊の機会も増えました。
この中で出てきた声が「1口コンロは不便」「本格的な調理器具を置くスペースが欲しい」など、キッチン廻りに対する不満です。
菓子作りと同様に、室内でできる趣味、例えばエクササイズなどを新たに始めたり再開させたりする人も増えています。
これも「趣味のためのスペースが欲しい」というニーズにつながりました。
アフターコロナの生活は?
さて、このように新型コロナウイルスの流行による生活スタイルの変化が、「より広く、より快適な住まい」のニーズを高めました。
では、この先コロナウイルスが収束した場合(しないと困りますが)、こうしたニーズは沈静化するのでしょうか?
それについては「NO」と言えそうです。
まず、自宅で働くことがアフターコロナの時代でもある程度は定着することが予想されます。
次に、コロナウイルスの流行を機に「無駄な付き合いはやめよう」という意識が強くなりました。
レジャー・交際費は、以前ほどには回復しないことが予想され、住まいに費やす資金も確保出来ると思われます。
そして、何よりも一度広く快適な部屋での生活を体験した人が、狭い部屋での生活に戻ることを望むとは考えにくいのではないでしょうか。
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